「墓じまいをしたいけれど、トラブルにならないか心配」「法律や手続きが難しそうで不安」と感じていませんか？

少子高齢化や核家族化が進む現代において、お墓の維持管理が難しいと感じる人が増え、「墓じまい」を選択する人が増加傾向にあります。しかし、墓じまいは、親族間のトラブル、法律や手続きの複雑さ、費用の問題など、注意すべき点が数多く存在します。

この記事では、墓じまいの注意点について、以下の内容を網羅的に解説します。

• 墓じまいの法律と規制
• 墓じまいでよくあるトラブルと回避策
• 墓じまいの手続きで注意すべきポイント
• 墓じまいの費用に関する注意点
• 墓じまい後の供養に関する注意点

この記事を読むことで、あなたは墓じまいに関する不安や疑問を解消し、後悔のない選択ができるようになるでしょう。

墓じまいの法律と規制

墓じまいを行うには、墓地、埋葬等に関する法律（墓埋法）などの法律や規制を遵守する必要があります。

墓地、埋葬等に関する法律（墓埋法）

・改葬許可: 墓じまいをして遺骨を別の場所に移す場合（改葬）、墓地がある市区町村長の許可が必要です。

・墓地の返還: 墓地を使用していた者は、墓じまい後に墓地を更地にして墓地の管理者に返還する義務があります。

その他の法律や規制

墓じまいには、墓埋法以外にも、民法、都市計画法、森林法などの法律や規制が関係する場合があります。例えば、以下のようなケースが考えられます。

・民法: 相続人が複数いる場合、墓じまいについて相続人全員の同意が必要です。

・都市計画法・森林法: 墓地が都市計画区域や森林区域にある場合、墓じまいに制限がかかることがあります。

墓じまいでよくあるトラブルと回避策

墓じまいでは、親族間のトラブル、寺院とのトラブル、業者とのトラブルなど、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。

親族間のトラブル

墓じまいは、親族間の意見の対立や感情的な問題を引き起こしやすいです。

トラブル事例:

• 墓じまいに反対する親族がいる。
• 誰が墓じまいの費用を負担するかで揉める。
• 遺骨の供養方法について意見がまとまらない。

回避策:

• 事前に十分な話し合いを行い、親族全員の合意を得る。
• 話し合いの場には、必要に応じて第三者（弁護士、行政書士など）を同席させる。
• 話し合いの内容を記録に残し、後から確認できるようにする。

寺院とのトラブル

寺院墓地の場合、寺院との関係が悪化することがあります。

トラブル事例:

• 離檀料（お寺を離れる際に支払うお金）の金額で揉める。
• お寺から墓じまいを強く反対される。
• お寺から高額な墓石撤去費用を請求される。

回避策:

• 事前に寺院に墓じまいの意向を伝え、話し合いの場を設ける。
• 離檀料の金額や墓石撤去費用について、事前に確認し、合意を得る。
• 寺院との話し合いは、丁寧な言葉遣いを心がけ、誠意をもって行う。

業者とのトラブル

墓石の撤去や遺骨の取り出しを業者に依頼する場合、業者との間でトラブルが発生することがあります。

トラブル事例:

• 見積もりよりも高額な費用を請求される。
• 墓石の撤去や遺骨の取り出しがずさんに行われる。
• 業者が倒産し、工事が中断する。

回避策:

• 複数の業者から見積もりを取り、比較検討する。
• 業者の実績や評判を確認する。
• 契約書の内容をよく確認し、納得した上で契約する。

墓じまいの手続きで注意すべきポイント

墓じまいの手続きは、複雑で時間がかかる場合があります。以下の点に注意して、スムーズに手続きを進めましょう。

改葬許可申請

墓じまいをして遺骨を別の場所に移す場合、墓地がある市区町村長に改葬許可申請を行う必要があります。

注意点:

• 必要な書類（改葬許可申請書、埋葬証明書、受入証明書など）は、市区町村によって異なるため、事前に確認する。
• 書類に不備があると、許可が下りるまでに時間がかかる場合がある。
• 改葬先の受入証明書は、改葬先が決まっていないと発行されない。

墓地の返還

墓じまい後、墓地を更地にして墓地の管理者に返還する必要があります。

注意点:

• 墓地の管理者から指定された方法で墓地を返還する。
• 墓地の返還費用は、墓地の管理者や墓地の状況によって異なる。
• 墓地の返還後、墓地の使用権は消滅する。

閉眼供養

墓石に宿る魂を抜き取る儀式（閉眼供養）を行う場合があります。

注意点:

• 閉眼供養は、僧侶に依頼して行うのが一般的。
• 閉眼供養のお布施は、お寺との関係性や地域によって異なる。
• 閉眼供養の時期については、僧侶や墓地の管理者と相談して決める。

墓じまいの費用に関する注意点

墓じまいには、墓石の撤去費用、遺骨の取り出し費用、改葬費用など、さまざまな費用がかかります。

費用の内訳と相場

墓じまいの費用は、以下の項目で構成されます。

• 墓石の撤去費用: 1平方メートルあたり10万円～30万円
• 遺骨の取り出し費用: 3万円～10万円
• 閉眼供養のお布施: 1万円～5万円
• 離檀料: 5万円～20万円（寺院墓地の場合）
• 改葬費用: 5万円～数百万円（改葬先の種類によって異なる）

これらの費用を合計すると、墓じまいにかかる総費用は、30万円～300万円程度となるのが一般的です。

費用を抑えるためのポイント

墓じまいの費用を抑えるためには、以下の点に注意しましょう。

• 複数の業者から見積もりを取り、比較検討する。
• 自分でできることは自分で行う（例：行政手続き）。
• 改葬先の種類を検討し、費用を抑えられる方法を選ぶ（例：海洋散骨、永代供養墓）。
• 補助金や助成金制度がないか確認する。

墓じまい後の供養に関する注意点

墓じまい後の供養方法は、永代供養墓、納骨堂、散骨など、さまざまな選択肢があります。

供養方法の選択

供養方法は、家族の意向や経済状況などを考慮して決めましょう。

• 海洋散骨: 遺骨を海に撒く供養方法です。
• 永代供養墓: 寺院や霊園が永代にわたって供養してくれるお墓です。
• 納骨堂: 室内型の納骨施設で、天候に関係なくお参りできます。
• 手元供養: 遺骨の一部を自宅で保管し供養する方法です。

供養に関するトラブル

供養方法によっては、親族間の意見の対立や感情的な問題を引き起こすことがあります。

注意点:

• 事前に十分な話し合いを行い、親族全員の合意を得る。
• 供養方法のメリット・デメリットをよく理解した上で選択する。
• 供養に関する費用や管理方法についても確認する。

まとめ

墓じまいは、慎重に進めるべき重要な決断です。法律や手続き、費用、供養方法など、注意すべき点がたくさんあります。この記事を参考に、墓じまいについて正しい知識を持ち、後悔のない選択をしてください。