「墓じまいをしたいけれど、何から始めたらいいかわからない」「手続きが複雑そうで不安」と感じていませんか？

少子高齢化や核家族化が進む現代において、お墓の維持管理が難しいと感じる人が増え、「墓じまい」を選択する人が増加傾向にあります。しかし、墓じまいは、単にお墓を撤去するだけでなく、親族との話し合いや行政手続き、供養の方法など、さまざまな要素を考慮する必要があります。

この記事では、墓じまいのやり方・手続きの流れについて、以下の内容を網羅的に解説します。

この記事で分かること

• 墓じまいの手順・流れ
• 墓じまいの手続きに必要な書類
• 墓じまいの費用相場
• 墓じまいの注意点
• 墓じまい後の供養方法

この記事を読むことで、あなたは墓じまいに関する不安や疑問を解消し、スムーズに手続きを進められるようになるでしょう。

墓じまいの手順・流れ

墓じまいの手順は、大きく分けて以下の7つのステップがあります。

1. 親族との話し合い
2. 墓地の管理者への相談
3. 改葬先の決定
4. 行政手続き
5. 閉眼供養
6. 墓石の撤去・遺骨の取り出し
7. 改葬・納骨

以下に、各ステップの詳細を解説します。

親族との話し合い

墓じまいは、親族全員の合意を得ることが非常に重要です。事前に十分な話し合いを行い、以下の内容について合意しておきましょう。

・墓じまいをする理由

・墓じまい後の供養方法

・費用の分担

・今後の供養の仕方

親族間で意見がまとまらない場合は、専門家（弁護士、行政書士など）に相談することも検討しましょう。

墓地の管理者への相談

墓地の管理者（寺院、霊園など）に墓じまいの意向を伝え、以下の内容について確認します。

・墓じまいの手続き

・必要な書類

・離檀料（寺院墓地の場合）

・墓じまい業者の紹介

墓地の管理者との関係が悪化しないよう、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。

改葬先の決定

遺骨の供養方法と改葬先を決定します。改葬先の種類によって、費用や供養の方法が大きく異なるため、家族でよく話し合い、納得のいく方法を選びましょう。

改葬先の候補としては、以下のようなものが挙げられます。

• 海洋散骨: 遺骨を海に撒く供養方法です。
• 永代供養墓: 寺院や霊園が永代にわたって供養してくれるお墓です。
• 納骨堂: 室内型の納骨施設で、天候に関係なくお参りできます。
• 樹木葬: 樹木を墓標とする自然葬です。
• 手元供養: 遺骨の一部を自宅で保管し供養する方法です。

行政手続き

墓じまいには、行政手続きが必要です。具体的には、以下の手続きを行います。

・改葬許可証の取得: 現在の墓地がある市区町村役場で改葬許可証を取得します。

・必要書類: 改葬許可申請書、埋葬証明書、受入証明書など

・墓地使用許可証の返還: 墓地の管理者に墓地使用許可証を返還します。

改葬許可証が発行後、墓じまい工事が行えるようになります。
申請に1週間～2週間程度かかりますので余裕をもって行動しましょう。

行政手続きは、市区町村によって異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
また、墓じまい業者が上記の手続きを代行して行ってくれる場合もあるので確認しましょう。

閉眼供養

墓石に宿る魂を抜き取る儀式を行います。閉眼供養は、僧侶に依頼して行うのが一般的です。

・お布施: 1万円～5万円程度（事前にお寺に確認しておくことをおすすめします）

・服装: 喪服または地味な服装

閉眼供養の時期については、僧侶や墓地の管理者と相談して決めましょう。

墓石の撤去・遺骨の取り出し

墓じまい業者に依頼し、墓石の撤去と遺骨の取り出しを行います。

・費用: 1平方メートルあたり10万円～30万円程度

・期間: 数日～1週間程度

墓じまい業者を選ぶ際は、複数の業者から見積もりを取り、信頼できる業者を選びましょう。

改葬・納骨

新しい供養先に遺骨を納めます。

供養先の業者により手続きは様々なので事前に入念な打ち合わせをしておきましょう。

墓じまいの手続きに必要な書類

墓じまいは、故人を供養し、遺骨を別の場所に移す重要な手続きです。しかし、必要な書類や手続きが複雑で、何から始めたらいいか分からないという方も多いのではないでしょうか。

ここでは、墓じまいの手続きに必要な書類について詳しく解説します。

改葬許可申請書

・現在のお墓がある市区町村役場で入手します。

・改葬の理由、現在の墓地の情報、改葬先の情報などを記入します。

・市区町村によっては、インターネットでダウンロードできる場合もあります。

埋葬証明書

・現在のお墓の管理者（寺院、霊園など）に発行してもらいます。

・故人の氏名、埋葬年月日、墓地の場所などが記載されています。

・管理者によっては、発行に時間がかかる場合があるため、早めに依頼しましょう。

受入証明書

・改葬先の管理者（寺院、霊園など）から発行してもらいます。

・改葬先の情報、受入承諾などが記載されています。

・改葬先が決まっていない場合は、受入証明書を取得できません。

墓地使用許可証

・現在のお墓の管理者から受け取ります。

・ 墓地の使用者が誰であるかを証明する書類です。

・墓地の管理者によっては、返還が必要な場合があります。

身分証明書

・本人確認のために必要です。

・ 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどが利用できます。

注意点

必要な書類は、市区町村によって異なる場合があります。必ず事前に確認しましょう。

書類に不備があると、手続きが遅れる場合があります。記入漏れや誤りがないか、よく確認しましょう。

書類の有効期限にも注意が必要です。特に、埋葬証明書や受入証明書は、発行から一定期間内に提出する必要がある場合があります。

墓じまいの費用相場

墓じまいにかかる費用は、様々な要因によって変動するため、一概にいくらとは言えません。しかし、費用の内訳とそれぞれの相場を知っておくことで、おおよその費用を把握し、計画的に準備を進めることができます。

墓石の撤去・解体費用:

・墓石の大きさや種類、墓地の立地条件などによって費用が変動します。

・一般的には、1平方メートルあたり10万円～30万円が相場です。

墓地の整地費用:

・墓石撤去後の墓地を更地に戻すための費用です。

・墓地の状況によって費用が異なります。

閉眼供養（魂抜き）のお布施:

・僧侶に依頼して行う供養の費用です。

・お寺との関係性や地域によって金額が異なりますが、1万円～5万円が目安です。

離檀料（寺院墓地の場合）:

・寺院墓地から遺骨を移す際に、お寺へ支払う費用です。

・お寺との関係性や地域によって金額が大きく異なります。

・近年では離檀料によるトラブルも発生しているので、墓じまい業者にお任せするなど慎重に交渉しましょう。

遺骨の取り出し費用:

・お墓の納骨室から遺骨を取り出すための費用です。

・3万円～10万円が目安です。

改葬費用:

・新しい供養先に遺骨を納めるための費用です。

・改葬先の種類（海洋散骨、永代供養墓、納骨堂、樹木葬、など）によって大きく異なります。

・海洋散骨の場合は数万円～20万円、永代供養墓や納骨堂の場合は5万円～数百万円程度が目安となります。

行政手続き費用:

・改葬許可証の取得など、行政手続きにかかる費用です。

・数千円程度です。

墓じまい業者や行政書士への依頼費用:

・墓じまいに関する手続きを専門家に依頼する場合にかかる費用です。

・依頼する内容や専門家によって費用が異なります。

費用の目安

・墓じまいにかかる費用の総額は、30万円～300万円程度が目安です。

・ しかし、改葬先の種類や墓地の状況によって大きく変動するため、あくまで目安として捉えてください。

費用を抑えるためのポイント

• 複数の墓じまい業者から見積もりを取り、比較検討する。
• 行政手続きは自分で行う。
• 改葬先の種類を検討し、費用を抑えられる方法を選ぶ。
• 補助金や助成金制度がないか確認する。

墓じまいは、決して安い費用でできるものではありません。そのため、事前にしっかりと計画を立て、納得のいく形で進めることが大切です。

墓じまいの注意点

墓じまいを行う際には、以下の点に注意する必要があります。

・親族とのトラブル: 事前に十分な話し合いを行い、親族全員の合意を得ることが重要です。

・寺院とのトラブル: 寺院墓地の場合、離檀料の支払いや、寺院との関係悪化に注意が必要です。

・行政手続きの煩雑さ: 改葬許可証の取得など、必要な手続きを漏れなく行う必要があります。

・費用: 予想外の費用がかかる場合があるため、事前に見積もりをしっかりと確認しましょう。

・遺骨の供養: 遺骨の供養方法について、家族でよく話し合い、納得のいく方法を選びましょう。

これらの注意点を踏まえ、慎重に墓じまいを進めることが大切です。

墓じまい後の供養方法

墓じまい後の供養方法は、大きく分けて以下の3つがあります。

・海洋散骨: 遺骨を海に撒く供養方法です。

・永代供養墓: 寺院や霊園が永代にわたって供養してくれるお墓です。

・納骨堂: 室内型の納骨施設で、天候に関係なくお参りできます。

・手元供養: 遺骨の一部を自宅で保管し供養する方法です。

近年は、海洋散骨や永代供養墓など、新しい供養の形を選ぶ人が増えています。

まとめ

墓じまいは、故人を供養し、遺族の負担を軽減するための選択肢の一つです。しかし、親族との話し合いや手続きなど、慎重に進めるべき点がたくさんあります。この記事を参考に、墓じまいについて正しい知識を持ち、後悔のない選択をしてください。